CAMSの妥当性についての補足説明
当機構が、高IQ者認定支援事業の対象を探し出すための手段として、何故CAMSを選んだのかについてのこれまでの説明で、不十分だったかもしれないところを、下記の通り補足させていただきます。
多くの方々がすでにご承知の通り、広く実施されているWAIS、CATTE等の知能検査や、MENSAの入会テスト等は、いずれもタイムプレッシャーの下で発揮される能力を重要視していると考えられます。
限られた短い時間内に答えを見つけ出す能力は、社会生活の中で必要とされる能力の重要な一部ではありますが、高度で創造的なAI開発などに求められている能力とは必ずしも一致しません。
ここで求められているものは、「ある程度の時間をかけて難問に取り組み、その過程の中で『閃めき』を得る」といった種類の能力です。過去になされた偉大な業績には、その様な能力を持った人の貢献が大きかった様に思われることから、我々はこういう能力の発掘に力を注ぐことに決めました。
本当は、もっと難しい問題に、もっと時間をかけて取り組んでもらう様なテストも考えたかったし、現実に世界で行われている「ハイレンジIQテスト」には「時間無制限」に近いものも存在するのですが、受検者の負担が大きく誰でも手軽に挑戦できるものではないことや、資格要件として不足している部分もあることから、当機構の事業のベースとするには不適切であると判断しました。
現在のCAMSはこの様な理由によって開発されたものですが、「異なる能力を測定しているCATTEL-CFIT Scale 3との『対応付け』を行うことが果たして妥当なのか」という疑問は残るでしょう。これにつきましては、専門家とも事前に相談し、行列推理という同じジャンルの能力を測定していることや高い数値まで測定されていることから現状では最も適切な対象であることだと考えました。完全な方法とは言えないかと思いますが、現状ではやむを得ないことと考えます。
繰り返しになりますが、我々の目的は「ゼロから新しい標準を作る」ことではなく、「特異な能力を持った人々をフェアに評価して、社会で活躍してもらえる様にする」ことですので、何とぞご理解のほどをお願い申し上げます