©2019 一般財団法人高IQ者認定支援機構

​機構設立の趣旨(代表理事からのメッセージ)

昨今の世界の科学技術開発の流れの中では、「高度なソフトウェア開発」就中「AI(人工知能)関連」の比重が極めて大きくなっておりますが、日本はこの分野で他国に大きく遅れを取っている様に感じられます。この分野では、日本が得意とする「要素技術の緻密な組み合わせと改善の蓄積」よりも「特異な頭脳をもった一個人の飛躍した発想」がより大きい貢献をするという事実が、この背景にあるのではないかと思われます。

 

ここで言う「特異な頭脳」とは、要言すれば、無秩序に集積された情報の中から「一定の隠された法則性」を見つけ出す「推論能力」であり、また、一見無関係にみえる事象群の中から「問題の解決に繋がる組合せ」を見つけ出す「閃きの能力」であると言えますが、高いIQを持つ人達には、こういう能力が備わっている可能性が高いことが知られています。

 

こういう人達は、どの国にも一定の比率で存在していますが、社会のあり方次第で、こういう人達がその能力を活かせることが出来るかどうかには大きな差が出ています。欧米諸国では、「ギフテッド教育」の名の下に、こういう人達を発掘して育成する制度が根付いていますし、現在の中国では、こういう人材の発掘と活用が、国家目標に合致するものとして組織的に行われています。これに対し、「集団的に秩序だった行動をする能力」を伝統的に重視してきた日本では、この様な努力が全く行なわれていないかの様な状況です。

 

IQが突出して高い人逹は、一般社会においてはその特異性が目立ち、周囲にうまく適応できないケースも多く、「苛め」の対象にもなりやすいことから、「登校拒否」、さらには大学への進学を断念せざるを得ないケースもあると思われます。社会に出ても、その稀有の能力が認められず、その能力を活用できないままに、下積みの生活に甘んじていることも多いでしょう。これは、本人にとっても不幸なことですし、社会と国家にとっても大きな損失です。

 

高度なAIを開発し、これを駆使する事が出来るかどうかが、これからの各企業の国際競争力を左右するのは勿論、日本という国家の将来の命運も、今やこれにかかっていると言っても過言ではありません。AIを必要とする分野は今後拡大の一途をたどり、それに対応できる人材も着実に増えていくとは思いますが、その最先端で「閃き(飛躍した思いつき)」をもたらすレベルの人材となると、極めて心もとなく感じられます。

 

また、その一方で、現時点における日本にとっての焦眉の課題は、各企業や国家そのものが近い将来重大な脅威にさらされることになると思われる「サイバー攻撃」に対する抵抗力がないことです。この課題の解決の為には、多くの天才型の人材を「ホワイトハッカー」として育成して、この人達を可及的速やかに組織化することも必要不可欠です。

 

こういう人材に必要な「頭の良さ」というものは、あまりに漠とした概念であり、また、いわゆる「頭の良い人達」の中で「適材適所」を見つけ出すのは更に困難だと思われますが、先ずは育成に値する人達の母数を大きくし、その中から何らかの科学的な手法で適材適所の人材を見つけ出すことが必要でしょう。

 

現在広く語られているIQという指標が、そのまま「頭の良さ」を意味するものとは言えませんが、少なくともある程度の相関性を持っているのは間違いないと思うので、 まずはIQという指標で特段に高い数値を出している人達のデータベースを作り、その中から有為の人材を発見して育成することが、現在の日本が抱えている基本的問題を解決する施策への一つの道筋にはなるではないかと考えています。

 

現在、IQを測定する試験としては、医療目的で運営されているWAIS等がありますが、これは高いIQを持つ人達を認定するものではありません。一方、高いIQを持つ人達が参画しているよく知られた組織としては、英国で発足し、現在世界で12万人の会員(60%以上は米国人と英国人)を持つMENSAという組織があり、日本でもWAISの検査で一定のIQを認定された人達か、或いはこの組織が毎月実施している検査で一定のIQをクリアーした人達約3,500人が、現在会員として登録されています。

 

しかしながら、このMENSAという組織は、もともと全世界の人口の2%に当たる「頭の良い人」の認定と親睦のために作られた組織であり、IQが130 sd15を大きく上回るような所謂「天才級」の人達の認知は行われていません。また、その入会試験問題も、「比較的簡単な問題を限られた時間内に解く」能力に主眼が置かれているようです。これは、当機構の測定する「前例のない難問を時間をかけてじっくり解く」能力とは異なる能力です。

 

MENSA入会で判断されるライン(人口の2%)を大きく越えた高いIQ(人口の0.01%以下?)を正確に測定する検査としては、ハイレンジIQテストというものがあります。その内容は、図形問題、数列問題、言語問題の三種類に分かれて、海外の様々な団体や個人が様々な検査を実施していますが、これを受けて実際に認知を受けるには数ヶ月の時間がかかり、且つ英語が不得意な人達にとってはかなりハードルが高いことがわかりました。

 

私達は、この状況を打破すべく、先ずは日本での、続いてASEAN諸国とインド及びその周辺国での「隠れた高IQ者の発掘」に焦点を絞り、言語のハンデイキャップのない問題(先ずは図形問題で出発し、将来は数列問題も加える)に絞った「どこにいる人でも参加することが比較的容易な検査」を実施するべく、その為の新組織を発足させることを企図しました。

 

高IQ者の「発掘」だけなら、わざわざ新しい組織を作るまでもないかとも思ったのですが、より重要なのは「こうして発見された『天才級』の人達に、実際に大きな仕事をしてもらう『仕組み』を作ることではなかろうか」と考えるに至り、当財団の設立に踏み切るに至った次第です。

 

勿論、この「仕組み作り」が決して容易なものではないことは覚悟しています。同じ様な高IQ者でも、それぞれの人が持つ能力の特性や興味の対象は様々でしょうから、それらを正しく認識して、適材に適所を、適所に適材を紹介する方策は、一から考えていかねばなりません。また、その試みの中では、「真の適材」を作り出す為の「様々な学習やトレーニング(例えばソフトウェアのコーディング能力向上に資するもの等)の必要性」も認識されるに至るかもしれません。更に、それ以前の問題として、「公式な認定に値するIQの測定」に公平性と正確さを期することが必要であり、この為にも、様々な試行錯誤が必要になるでしょう。今回の財団設立は、これらの全てを含む「長い道程」の第一歩だと私達は認識しています。

一般財団法人高IQ者認定支援機構
代表理事

松本 徹三